鴻巣・箕田の宝持寺|住宅街で見つけた、渡辺綱ゆかりのお寺

鴻巣市箕田の住宅街にある「宝持寺(ほうじじ)」。
実はこのお寺を知ったのは、ずいぶん昔。夕方に近くを歩いていたときでした。
暗がりの中に見えたお寺は少し幻想的で、その頃の私にはちょっと怖く感じたのを覚えています。
子どもの頃はちょっと怖かったお寺。
改めておとなになった今、昼間に訪れてみることにしました。

住宅街の中に、こんなお寺が…宝持寺
住宅街の中に、こんなお寺が…宝持寺
目次

住宅街の中にある、緑豊かな宝持寺

宝持寺があるのは、鴻巣市箕田。
周囲には住宅が並んでいますが、境内に入ると庭や木々が広がり、少し雰囲気が変わります。
宝持寺の公式サイトでも「鴻巣市北部の住宅街に位置し、静かな環境でゆっくりとお参りしていただけるお寺」と紹介されています。誰にでも開かれたお寺として、門はいつでも開けているとのことです。
実際に歩いてみても、きれいに手入れされた庭を眺めながら、ちょっとほっとできるような場所でした。
池には錦鯉も泳いでいるそうで、公式サイトでも庭園を「癒しの空間」として紹介しています。

錦鯉が泳ぐ「美源池」
錦鯉が泳ぐ「美源池」

約1000年前に建立されたと伝わる、渡辺綱ゆかりのお寺

何気なく訪れた宝持寺ですが、調べてみると、かなり長い歴史を持つお寺でした。
宝持寺によると、今から約1000年前、平安時代の武将・渡辺綱(わたなべのつな)が、祖父の源仕(みなもとのつこう)と父の源宛(みなもとのあつる)の菩提を弔うために建立したと伝えられています。
渡辺綱は、源頼光に仕えた「頼光四天王」の一人として知られる人物。
大江山の酒呑童子(しゅてんどうじ)退治や、京都の一条戻橋で鬼の腕を切り落としたという伝説でも知られています。
「近所にこんなお寺があったんだ」と訪ねた場所が、平安時代の武将につながっているとは意外でした。

迫力のある渡辺綱と鬼の像
迫力のある渡辺綱と鬼の像

境内には、そんな渡辺綱と鬼をかたどった迫力のある像もあります。渡辺綱が、一条戻橋で鬼の腕を切り落としたという伝説の場面なのでしょうか。

渡辺綱ゆかりの地を伝える「渡辺綱公之碑」

渡辺綱の銅像の隣には、大きな「渡辺綱公之碑」があります。
碑文には、箕田の地が源仕・源宛・渡辺綱の三代が活躍した土地といわれていることや、渡辺綱が祖父と父の菩提を弔うため宝持寺を建立したと伝えられていることなどが刻まれています。

渡辺綱ゆかりの地を伝える「渡辺綱公之碑」
渡辺綱ゆかりの地を伝える「渡辺綱公之碑」

本堂・鐘楼・薬師堂など、境内には見どころも

宝持寺の境内には、本堂だけでなく、鐘楼、薬師堂、六地蔵、庭園、十八羅漢石佛など、さまざまな見どころがあります。
本堂で特徴的なのが、大きな屋根。
公式サイトでは「鴟尾付きの唐招提寺様式の屋根」と紹介されています。現在の本堂は平成15年(2003年)に一新されたものです。
鐘楼では、除夜の鐘のほか、毎月1日と15日の朝にも鐘をついているそうです。
写真を撮りながら境内を歩いてみると、ひとつのお寺の中にも意外といろいろなものがあることに気づきます。

宝持寺☆本堂
宝持寺☆本堂

「庫裡(くり)」って何?

境内で見つけて、ちょっと気になったのが「宝持寺 庫裡」と書かれた案内。
「庫裡(くり)」という言葉、普段の生活ではあまり聞きませんよね。
庫裡とは、寺院で僧侶の生活や寺務などに使われる建物のこと。もともとは寺院の台所を意味する言葉です。
知らないとそのまま通り過ぎてしまいそうですが、意味が分かると「なるほど」とちょっと勉強になります。

宝持寺☆庫裡
宝持寺☆庫裡

牛の像と小さなお社、一休さんも

境内を歩いていると、牛の像と小さな石造りのお社がありました。
牛は一般に、菅原道真公を祀る天神信仰と深いつながりがあることで知られています。

牛の像と小さな石造りのお社
牛の像と小さな石造りのお社


そして、境内には可愛らしい一休さんの像も。庭の緑の中にちょこんと座っている姿が、なんともほほえましい雰囲気です。
このお社が宝持寺に祀られるようになった経緯や、一休さんの像が置かれた由来については、少し謎に包まれています。

宝持寺☆可愛らしい一休さん
宝持寺☆可愛らしい一休さん

表情豊かな「十八羅漢」が並ぶ羅漢庭

岩の間にたくさんの石像が並ぶ「羅漢庭」もなかなか興味深いです。宝持寺の公式サイトでも「彫りが精巧な十八羅漢石佛」として紹介されています。
十八羅漢とは、お釈迦さまの弟子で、悟りを得た聖者「羅漢」を18人にまとめたもの。
一体一体をよく見ると、顔つきや姿勢がそれぞれ違っていて、眺めているだけでもなかなか面白い場所です。

宝持寺☆表情豊かな「十八羅漢」が並ぶ羅漢庭
宝持寺☆表情豊かな「十八羅漢」が並ぶ羅漢庭

近所を歩いてみると、意外な発見があるかも

今回の宝持寺は、もともと観光スポットを探して見つけた場所ではありませんでした。
昔見つけて気になっていた場所を思い出し、今回、昼間に改めて訪れてみました。
昼間に歩いてみれば、庭の緑がきれいな、住宅街の中の落ち着いたお寺。
そして少し調べてみると、約1000年前に渡辺綱が建立したと伝えられる歴史があり、境内にもその歴史を伝える碑や、知らなかった言葉、気になるものがいろいろありました。
遠くへ出かけなくても、いつもの街を少し歩いてみると、
「こんなところがあったんだ」
という場所に出会えることがあります。
鴻巣・箕田周辺を歩く機会があれば、宝持寺にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

宝持寺 基本情報

名称曹傳山 美源院 宝持寺(そうでんざん びげんいん ほうじじ)
宗派曹洞宗
本尊釈迦牟尼仏
所在地埼玉県鴻巣市箕田2034
最寄りJR高崎線 北鴻巣駅(公式案内では徒歩13分)
電話048-596-0729
参拝公式サイトでは「誰にでも開かれた寺としていつでも門は開けてあります」と案内されています。
公式サイトhttps://hojiji.com/

目次