高齢者の猫背と若い人の猫背は違う?原因と整え方の違い

高齢者の猫背と若い人の猫背は違う?原因と整え方の違い

先日、高齢のお客様が「猫背改善ベルトを着けたら、姿勢が良くなったんです」と、うれしそうに話してくださいました。
実際に見ると、いつもより上半身が起きていて、立ったときの印象も少し違って見えました。
「こういうベルトは、本当に効果があるのかな?」と気になったことが、今回の記事を書くきっかけになりました。

目次

そもそも「猫背」とは

一般に猫背とは、背中が丸くなり、頭や肩が前に出て見える姿勢を指します。ただし「猫背」は日常的に使われる呼び方で、原因や状態は人によってさまざまです。
もともと背骨は、横から見るとまっすぐではなく、首・胸・腰にゆるやかなカーブがあります。胸の部分は後ろに丸くなるのが自然ですが、その丸みが強くなった状態は「後弯(こうわん)」と呼ばれます。

若い人に多い猫背の特徴

若い人の猫背では、スマートフォンやパソコンを見る時間が長く、同じ姿勢を続けるうちに、頭が前へ出たり、肩が内側へ入ったりすることがあります。胸の前も縮こまりやすくなりますが、意識すると背すじを伸ばせる場合は、日頃の姿勢や身体の使い方が影響している可能性があります。
このように、姿勢を変えると背中の丸みも変化するものは「姿勢性」の要素が強いと考えられます。
ただし、若い人の猫背がすべて姿勢の癖とは限りません。背中の丸みが強く、伸ばそうとしてもほとんど変わらない場合や、痛みが続く場合には、整形外科で確認することが大切です。

高齢者の猫背に関係すること

高齢者の猫背には、背中を支える筋力の低下だけでなく、椎間板や関節の加齢変化が関係していることがあります。また、骨粗しょう症による圧迫骨折で、背骨の形そのものが変わっている場合もあります。
今回、記事を書くきっかけになったお客様も、背中だけでなく腰までかなり硬くなっていました。背中が丸くなって上半身が前へ傾くと、身体が倒れないように腰まわりの筋肉が頑張り続け、硬くなることがあります。猫背は、背中だけを見ればよいものではないのだと改めて感じました。
高齢者の場合、背すじを伸ばそうとしても、背中の丸みがあまり変わらないことがあります。単に筋肉が硬くなっているだけでなく、背骨の形そのものが変化している可能性もあるためです。
特に注意したいのが、骨粗しょう症に伴う椎体圧迫骨折です。圧迫骨折というと強い痛みを想像しますが、明らかな痛みがなく、身長の低下や背中の丸みとして現れる場合もあります。

猫背矯正ベルトには効果がある?

猫背を支えるベルトを着けると、肩や背中が後ろへ支えられ、上半身を起こしやすくなることがあります。
また、ベルトから身体に加わる刺激によって、「今、背中が丸くなっている」と本人が気づきやすくなることも考えられます。
高齢者の猫背を対象にした研究では、専用の装具を着けることで、背中の丸みや背筋力、バランスに良い変化がみられたという報告があります。ただし、研究で使われた専用装具と市販の猫背矯正ベルトは同じものではなく、着用中に姿勢が良く見えても、猫背そのものが治ったとは限りません。
ベルトは身体を支える助けにはなりますが、それだけに頼るのではなく、無理のない範囲で身体を動かし、背中や脚の筋力を保っていくことも大切です。
痛みやしびれ、息苦しさ、皮膚への強い食い込みなどが出る場合は使用を中止します。骨粗しょう症や圧迫骨折、神経系の病気がある方は、自己判断で強く締めず、医師や理学療法士などに相談すると安心です。

若い人と高齢者では、整え方も変わります

若い人の姿勢性の猫背では、胸や肩まわりの柔軟性を保つこと、長時間同じ姿勢を続けないこと、背中や体幹を使いやすくすることなどが大切です。

高齢者の場合は、背中を完全にまっすぐにすることだけが目標ではありません。今以上に前かがみになりにくくすることや、前を向いて立ちやすくすること、歩きやすさを保つことも大切です。呼吸のしやすさや転びにくさにも目を向けながら、日常生活につながる変化を少しずつ積み重ねていきます。

骨粗しょう症や圧迫骨折の可能性がある方に、背中を強く押したり、無理に反らせたりすることは適切ではありません。年齢だけで判断せず、既往歴や痛みの有無、姿勢を変えられる範囲などを確認する必要があります。

自分で確認するときの目安

壁の前に立ったときや仰向けに寝たときに、背中の丸みがどの程度変わるかを見ると、姿勢によって変化する部分があるかを知る手がかりになります。
ただし、これは病気や骨の状態を判断する検査ではありません。
次のような場合は、整体を受ける前に医療機関へ相談してください。

  • 急に強い背中や腰の痛みが出た、または転倒後から痛みが続いている
  • 身長が低くなった、背中の丸みが急に強くなった
  • 手足にしびれがある、力が入りにくい
  • 排尿・排便がしにくい、または自分でコントロールできない

特に、排尿・排便の異常や急に強くなる手足のしびれ・脱力がある場合は、早急に医療機関を受診してください。

猫背は見た目だけで決めつけないことが大切です

若い人の猫背は、日常の姿勢や身体の使い方が関係していることが多く、姿勢を変えると丸みも変化しやすい傾向があります。
高齢者の猫背は、筋力の低下だけでなく、椎間板や関節の加齢変化、骨粗しょう症による圧迫骨折などが関係している場合があります。そのため、若い人と同じように強く伸ばすのではなく、安全を確認しながら、その方に残っている動きや筋力を生かすことが大切です。
猫背という見た目だけで判断せず、「なぜこの姿勢になっているのか」を考えることが、身体を整える第一歩になります。
空月堂では、年齢や身体の状態を伺いながら、無理のない範囲で施術を行っています。背中の丸みだけを強く伸ばすのではなく、肩・胸・腰・脚など全身のバランスを見ながら、動きやすい身体づくりをお手伝いします。

※整体は医療行為ではなく、病気や骨の状態を診断・治療するものではありません。症状や経過によっては、医療機関への相談をおすすめする場合があります。

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